原子時計
げんしどけい
原子時計とは、原子の量子力学的な遷移周波数を基準として時間を計測する装置で、数億年に 1 秒の精度を実現し、現代の時刻基準の根幹を支えています。
じかんのおくれ
時間の遅れ (time dilation) は、アインシュタインの相対性理論が予測する物理現象です。特殊相対性理論によれば高速で移動する物体の時間は遅くなり (速度による時間の遅れ)、一般相対性理論によれば強い重力場にある物体の時間も遅くなります (重力による時間の遅れ)。いずれも実験的に検証された物理的事実です。
GPS は時間の遅れの実用的な補正を行っている代表的なシステムです。高度 2 万 km の衛星上では重力が弱いため時計が 1 日あたり約 45.8 マイクロ秒速く進み (一般相対性理論)、衛星の移動速度 (約 3.87 km/s) により約 7.2 マイクロ秒遅れます (特殊相対性理論)。差し引き 38.6 マイクロ秒/日の補正を行わなければ、位置精度は 1 日で約 11.6 km ずれます。
日常的な速度や高度差では、時間の遅れは極めて微小です。時速 300 km の新幹線では 1 秒あたり約 0.1 ピコ秒、東京スカイツリー展望台 (高さ 450 m) と地上の差は 1 日あたり約 4 ナノ秒です。これらは光格子時計でなければ検出できない微小な差ですが、物理法則として確実に存在しており、超精密な時刻管理では無視できない要素です。
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